ご質問
Access Control 導入を行う際に、初期ユーザー情報を Microsoft 365 から取り込みたい。
どのような作業が必要ですか。
回答
下記の手順を実施することで、ユーザー情報を Microsoft 365 から Access Control に同期することが可能です。
注意事項
- 当手順は、Access Control に初期管理者以外のユーザーが存在しないことを前提としています。
Access Control 上で既にユーザーを作成している場合は、HENNGE One 導入担当者にお問い合わせください。 - 本記事の内容は 2025 年 4 月時点での製品仕様に基づき作成しており、以後予告なく変更される場合があります。
- ユーザー同期の設定には Access Control のグローバル管理者権限および Microsoft 365 の全体管理者が必要です。
- Microsoft Entra ID のユーザーパスワードは Access Control に同期されません。
ユーザー同期完了後に、必ず Access Control 側で初期パスワードの設定が必要です。 - Active Directory から Microsoft Entra ID へのユーザー同期を行っている場合は本作業は必要ありません。
- 同期予定のドメインに対して、ユーザー以外のオブジェクトのドメインを変更してください。
ユーザー以外のオブジェクト UPN を onmicrosoft.com ドメインへ変更 - 下記の手順を実行して、お客様の環境で Microsoft Graph PowerShell が利用できることを確認してください。
Microsoft Graph PowerShell SDKのインストール
Microsoft Graph PowerShell から Microsoft365 に接続する
手順
1. Access Control 管理画面から [プロビジョニング設定] にアクセスします。
2. [クラウドサービスからの同期] メニュー内の [+ サービスの追加] を選択します。
3. 同期サービスの選択画面より同期対象のサービスを選択します。
以下の画面が表示されている場合は、 [Entra ID] を選択します。
4. Microsoft 365 のログイン画面が表示されるので、全体管理者アカウントでログインします。
5. [要求されているアクセス許可] の画面が表示されるので、[承諾] を選択します。
6. 同期するドメインへチェックを入れ、UPNモード および ユーザー削除許容率 を設定して [続行する] をクリックします。
・ドメイン
同期するドメインにチェックを入れます。
・UPN モード
設定によって、Access Control のユーザー名に設定する値が変化します。
※ Access Control のユーザー名は後から変更ができません。
【UPN モードが有効の場合】
Microsoft Entra ID の UserPrincipalName 属性を Access Control のユーザー名として同期します。
例 : ユーザーの UserPrincipalName 属性が「user@example.com」の場合、ユーザー名は「user@example.com」となります。
【UPN モードが無効の場合】
Microsoft Entra ID の UserPrincipalName 属性の @ までの値を Access Control のユーザー名として同期します。
例 : ユーザーの UserPrincipalName 属性が「user@example.com」の場合、ユーザー名は「user」となります。
7. Microsoft Graph PowerShell のコマンドが画面に表示されるので、 コマンドをコピーして Microsoft 365 の全体管理者アカウントで実行します。
※ 本画面は実施有無に関わらず表示されます。
過去に本作業を実施済の場合は手順 10. へ進みます。
8. Microsoft 365 のログインを求められた場合は、 全体管理者権限を持つアカウントで Microsoft 365 にログインします。
9. 手順 7. で実施した Microsoft Graph PowerShell コマンドの実行結果に赤字でエラーが出力されていないことを確認します。
エラーが発生した場合は下記の記事をご参照ください。
エラーメッセージ集 Microsoft Graph PowerShell
※ 解決しない場合は対象のエラー画面のキャプチャを取得し、HENNGE One 導入担当者までお知らせください。
10. Microsoft Graph PowerShell コマンドが正しく実行されたことを確認したら [続行する] を選択します。
11. 同期対象ドメインそれぞれの [同期プレビューを開始] をクリックし、想定されるユーザー同期結果を出力します。
※ 複数ドメインがある場合は、ドメインごとに同期プレビューを実施してください。
12. [結果のダウンロード] を選択し、ダウンロードした同期プレビュー結果 (csv ファイル) を確認します。
※ 複数ドメインがある場合は、ドメインごとに結果を確認してください。
以下を参考に同期プレビューの結果を必ず確認してください。
同期プレビュー結果に想定外の Add のユーザーが含まれていた場合は、[キャンセル] を押してユーザー情報の編集等を完了後に再度お試しください。
ご不明な場合は、HENNGE One 導入支援担当者へお知らせください。
※ 出力したユーザー一覧の右側の列に各ユーザーごとの Immutable ID が表示されます。
同期プレビュー結果に Update または Delete が表示された場合は、Access Control 上に既にユーザーが存在します。
HENNGE One 導入支援担当者へお知らせください。
ユーザー同期時の同期項目の詳細は、以下記事をご参照ください。
Access Control Microsoft 365 とのユーザー同期の同期項目は?
13. 内容に問題がなければ、[続行する] をクリックします。
14. [今すぐ同期] を選択することで表示される注意事項を確認した上で、問題なければチェックボックスにチェックして [実行する] をクリックします。
※ [今すぐ同期] を実行すると、即時でユーザー情報の同期が実行され、Access Control にユーザーが作成されます。
同期プレビューが想定通りの結果であることを確認した上で実行してください。
同期 (追加、削除、更新) について
- Add : 同期元サービスにのみユーザーが存在し、同期先サービスにユーザーが存在しない場合、同期先サービスにユーザーを追加します。
- Delete : 同期元サービスにユーザーが存在せず、同期先サービスにユーザーが存在する場合、同期先サービスのユーザーを削除します。
- Update : 同期元、同期先のサービスで同じユーザーが存在し、姓名、表示名などの項目に差分がある場合に同期先サービスの値を同期元の値に更新します。
15. [同期ログを確認する] をクリックし、同期結果を確認します。
同期のログの確認方法の詳細は以下の記事をご参照ください。
同期ログを確認する
16. Access Control 側で各ユーザーの初期パスワードを設定します。
ユーザー同期によって Access Control に作成されたユーザーには、Microsoft Entra ID 側のパスワードは同期されません。
そのため、同期完了後に管理者にて Access Control 上で初期パスワードの設定が必要です。
※ パスワードの設定を行わない限り、ユーザーは Access Control にログインできません。
パスワードの設定方法については、以下記事をご参照ください。
Access Control ユーザー情報の編集
Access Control ユーザーの一括更新